屋根からの雨漏り

勾配の小さい屋根からの雨漏り S型瓦の屋根の葺き替え
No.15111

B様/2015年施工屋根葺き替え工事及び外壁塗装工事

S型瓦・勾配の小さな屋根からの雨漏り

 当社の大在ショールームにB様がお越し下さいました。B様は以前、当社が毎年出展している『おおいた 人とみどりふれあいいち』(大分市平和市民公園)の当社ブースにご来場下さった事がありました。その際、当社スタッフの応対にしっかりした会社という印象を持たれたそうで、今回改めて雨漏りのご相談をしたいとご足労下さったとの事でした。

 早速、現地調査にお伺いしました。B様のお宅は屋根はセメント瓦(S型瓦)、外壁はモルタルに一部漆喰という組み合わせの建物でした。2階部分と1階和室を中心にかなり雨漏りの痕跡が見られました。下地の劣化や板金部分の取り合いなど色々な原因がありますが、一番の大きな問題はS型瓦を使用している事と屋根勾配が小さいという事でした。


S型瓦とは、このように通常の波型セメント瓦よりも平たく、溝が3~4本ほど設けられているのが特徴です。
 S型瓦は発売当初から「勾配が小さくても大丈夫」という「売り」で大量に流通した為、使用されている屋根の大半が3.5寸勾配以下となっています。B様のお宅も同様に3.5寸勾配以下でした。屋根勾配が小さいという事は、雨漏りのリスクが大変高くなります。また、S型瓦は通常の瓦より重ね部分が少ないため、その事も雨漏りのリスクを高めてしまっています。現実に20年前頃に大量に出廻って、早いものは建築後1年未満で漏水しているケースもあり、10年未満で何らかの漏水が発生しているのが大半です。
 建築業界では何故か、この様なおかしな商品が検証もされずに発売され、何年にもわたって出廻るという事が珍しくありません。大量に流通しているから安全、大手が販売しているから大丈夫という考えは、残念ながら大変危険です。

 屋根勾配や雨漏りに関連する当社へのご相談に多いものとして「屋根の傷みが激しい場合、葺き替えするべきか、塗装するべきか」というご質問をよくいただきます。詳しくは【HOKUTOリフォームQ&A】にも掲載しているのですが、決して難しく考える必要はありません。屋根の下地が傷んでおり、下地をやり替えなくてはならない場合、瓦を一度降ろさなくてはいけません。瓦を降ろしてまた載せるという作業は、手間もかかる上、破損などのリスクも伴います。そこで、どのみち手間をかけて瓦を降ろすのであれば、古い瓦を載せるよりはこの際新しい瓦を載せた方がよいのではと葺き替えをご提案することが多いです。逆に下地が傷んでおらず勾配がきちんととられている住宅の場合は瓦を降ろす必要もありませんから、瓦の状況次第で塗装で対応できる状態であれば塗装をご提案しています。

屋根葺き替え工事

ビフォーアフター

施工前

施工中

施工後

 B様のお宅は屋根裏からの雨漏りの状況や勾配が小さいことなどを精査した結果として今後の雨漏りのリスクを少なくするために下地補修と合板を上張りしたのち、スレート瓦(コロニアル)を葺くのが最良だと判断いたしました。※但し勾配が少なくてもコロニアルなら大丈夫という事ではありません。S型瓦より重ね幅が大きいので、あくまでも現状よりは今後の雨漏りリスクが減るというだけで、屋根勾配は大きい方が良いのは間違いありません。

ビフォーアフター
  • 屋根葺き替え工事❶
  • 屋根葺き替え工事❷
  • 施工中、雨対策
  • 施工中

施工前

施工後

施工中

施工後

工事中、小雨が降った日は雨水の侵入を防ぐために瓦を剥がした部分は防水シートでカバーしています。

ルーフィングはしっかり立ち上げて板金でカバーします。

外壁塗装工事

 外壁のモルタルは、クラックや欠けなどの劣化が見られました。屋根を葺き替える際に足場を設営することもあり、せっかく足場をかけるならと塗装工事をご提案致しました。外壁はモルタルにリシン吹き付けという仕様でした。


施工後
 当社は建材に合わせて数百以上の塗料の中からその建材に適した塗料を選択しますが(モルタルの場合、ヒビに追従する弾性と防水性、透湿性を備えた塗料)小庇の板金、モルタル外壁、漆喰部など、それぞれに適切な異なる塗料を使用しています。多くの建築業者はモルタル壁の新築時の塗料の選択肢として、数多くある壁用塗材の中から3種類程度(リシン、スキン、ボンタイル)しか用意しません。
※ボンタイルとは、アクリル吹き付けタイルの中で一番使用された商品の名前です)これらは防水性やヒビに追随する機能はなく、家を保護しているには程遠い塗料なのですが安い(原価が抑えられる)という理由だけでほとんどのモルタルの外壁に使用されています。
 本来、モルタル壁はメンテナンスの方法を間違えなければ、現在外壁の建材として主流になっているサイディング壁(デメリットが多く、当社では欠陥建材と考えています)より数段寿命が長く、それ以外にも多くの観点から住む人間にとって優れた建材といえます。ですが、多くの建築業者の無知や不勉強の結果、間違った施工をされてしまい、あたかもサイディング壁より劣った壁材のような認識が広がっています。
 建築業界には間違った認識や施工、間違いだと知りながらも利益を優先し住宅のその後などを考えない業者が蔓延しています。それは悪質な訪問販売業者などに限らず、大手ハウスメーカーなども例外ではありません。そのようなあってはならない考え方の業者に惑わされず、ご自身の財産である住宅をしっかり守っていくには、業者の言うことを鵜呑みにせず、一呼吸おいてきちんと考えてみることをおすすめします。
 専門知識などなくても難しく考えず普通に素人目で考えてみていただければと思います。意外に見えてくる事もあるようです。当社は当社の考え方を一生懸命お伝えし、お客様と一緒に考えて、当たり前のことを当たり前に施工しています。他社の見積もりのおかしな点、疑問点、納得いかない点などありませんか?ぜひ、当社にご相談ください。

 B様にも当社の考え方や施工方法をきちんとご説明したところご納得下さり、工事のご発注をいただきました。施工後は無事に雨漏りも止まり、外壁もとても綺麗になりました。ありがとうございました。

Return Top 今すぐ電話する