I様邸/2016年施工屋根・外壁等全面塗装工事、ベランダ改修工事
甚大な被害が出た後に改修工事を行った例
お話を伺うと、3年程前に別業者に補修をしてもらったが、2年経たない内にサイディングの浮きや割れが生じたとのことでした。また、そこから浸水して天井クロスにシミが出てきていたそうです。しかし、住宅を建ててもらった業者B社が既に倒産していた為、また直さなければと思いつつも、ご夫婦共にお仕事がお忙しく月日が経ってしまったとのことでした。そしてとうとうサイディングが外れて落ちかかっているのを発見し、もう引き延ばすのも限界ということで、当社にご依頼下さいました。当社のことは、HPをご覧くださったり、またI様のお住まいの地域に多数の施工実績があったことなどからご存知だったそうです。
現場にお伺いすると屋根は石綿スレート瓦、外壁はサイディングで典型的なハウスメーカータイプのお宅でした。外壁のベランダ部の一部は完全に欠落してしまい、隣接するサイディングも激しい反りと浮きが生じており、またベランダ防水は防水としての機能を果たしていない状態でした。
施工前画像
また、最悪なことにサイディングの欠落や浮きが最も激しい右側のベランダ部はお部屋の上に乗っている構造であった為、漏水した水は全て1階のリビング天井に流れ込んでいました。その水が天井ボードを腐らせ、大きな黒いシミが出来ている状態でした。
ベランダ内側のサイディング部分は建てた業者が笠木のまともな取り付け方すら知らなかったのか笠木をベランダ立ち上がりの天板に被せるのではなく、上に置いた状態で隙間をシーリングしており、まるで笠木の意味を成さない施工をしていました。ただでさえ比熱が低く、また紫外線の影響もあり劣化が出やすいサイディング壁のシーリング部から水が侵入しており、激しい反りなどが繰り返し起きた結果、1枚のサイディングが5層に割れ、欠落するなどといった通常では考えられないような状態になっていました。
屋根そのものや北側の外壁、その他躯体などに特に大きな影響はなかったのですが、勝手口周りのサイディングも大きく反り、水が侵入しているようでした。なによりベランダ部は中の下地材まで露出している状態で早急な対応が望まれました。
既存のベランダを全て下地材から作り直すプランと、実際にI様がご生活される上でさほどベランダを使用しないとのことで、ベランダを無くす減築プランの、2つのパターンでお見積もりをご提出しました。
現地調査の段階から当社の考えや工法にご理解をいただいていたこともあり、工事のご発注を下さいました。減築プランでの施工となりました。
ビフォーアフター画像
- 南側外観❶
- 南側外観❷
- 北側外観
解体中
復旧中
施工後
施工前
施工後
施工前
施工後
このI様のお宅のように、ここまで進行してしまっているケースというのは今の所まだ少ないのですが、この前段階はよくあるケースで、当社でもたびたびご相談いただき施工しています。
今回は残念ながら発見が遅くなって大掛かりになってしまいましたが、壁がサイディングのお宅であれば、壁面からの浸水を念頭にいれて、メンテナンスをするべきだということを一般的な業者が知りませんので、実際にお住まいの方達は充分注意してほしいと思います。良心的な業者であっても、ほとんどの業者が、壁面からの浸水に考えが及んでいないというのが現状なのです。
今回の工事はちょうど梅雨時期でしたが施工後、水の浸入が止まったことを確認し大きなシミとなっていた天井の下地を取り換えクロスを張り直しました。長い期間の工事となり、I様には大変ご不便をおかけいたしましたが無事、完工となりました。ありがとうございました。また、アフターにお伺いした際にはよろしくお願い致します。