ビル・RC住宅の雨漏り

屋上・外壁ともに防水が機能していないことによる雨漏り
No.18014

第二石松ビル様/2018年施工外壁等塗装及び屋上・ベランダ等防水工事

屋上・外壁ともに防水が機能していないことによる雨漏り

 大分市府内町に隣接する2つのビルを所有しているK様より、屋上の防水工事のお見積もりについてご相談のお電話をいただきました。
 後日、当社代表の小原、塗装部部長の篠田、本店店長の三重野の3名で現地調査にお伺いしました。所有しているビルは築45年の第一石松ビル、それよりも1年新しい第二石松ビルでした。築年数は1年しか違わないのですが、双方で屋上防水の構造が異なっておりました。

第一石松ビル


施工前/全景


施工前/屋上


屋上の表面がコンクリートで仕上げられ、コンクリートの下に防水層が存在する構造

第二石松ビル


施工前/全景


施工前/屋上


施工前/屋上表面


屋上の表面にシート防水が施され、その下にコンクリートがあり、更にその下に別の防水層が存在する構造。

 第二石松ビルのシート防水は防水の機能を果たしておりませんでした。シートの継目が傷んでいる箇所、継目の部分が完全に剥がれている箇所などが多数あり、雨水がシート内に浸入し、常時雨水が溜まった状態でした。こういったケースでは、シート下のコンクリートが常に濡れた状態になり、雨漏り以外にも鉄筋が錆びることによるコンクリートの爆裂等の不具合を生みます。


実際、屋上の真下にあたる階段室の天井は雨水の影響でコンクリートが爆裂しており、非常に危険な状況になっておりました。

 第一石松ビルでは屋上からの雨漏りはないとのことでしたので、第二石松ビルの方が状態は悪いと言えます。ビルの状況をK様にご説明し、屋上に関しては第二石松ビルの工事を優先することをお勧め致しました。
 また、どちらのビルも外壁の防水が全く機能していないことから外壁塗装が必要であることをお伝え致しました。
お見積もりについては当社以外にE社にも屋上防水のお見積もりをもらっているので、比較をしたいとのことでした。
 後日2つのビルについて<屋上防水のみの場合>と、<屋上防水・外壁・ベランダなどビル全体を改修した場合>のお見積もりをご用意し、K様含め3名の理事様にご説明させていただいたところ、ビル全体を改修する必要性をご理解いただきました。また、前述の通り第一石松ビルよりも第二石松ビルの屋上防水を優先すべきとの考え方にご賛同いただき、まずは第二石松ビルの全面改修のご契約をいただきました。

 比較の結果、当社を選んでいただいた理由は下記の通りです。

  • E社はK様からご依頼された屋上防水のみの見積もりであったのに対し、外壁塗装、屋上フェンスの取替えの必要性などプロとして提案すべき内容が盛り込まれている。
  • 工事項目が具体的、かつ丁寧な説明で非常に分かりやすい。
  • 高圧洗浄時に漏水するリスク等、工事中のリスクが事前に説明され、それに対する対策が明確で安心して工事を任せることができる。

塗装全景


施工前


施工後


施工前


施工後

当社提案カラーシミュレーション
 既存と全く違ったイメージをご希望ということでしたので、様々なパターンをシミュレーションし、打ち合わせを重ねた結果、道路側の外壁を上下で塗り分ける案に決定致しました。


決定案

工事用足場 施工中

高圧洗浄 施工中

爆裂処理 施工中

外壁の様々な部分で爆裂が生じており、爆裂したコンクリート部分は全て剥がしモルタルで補修致しました。

シーリング処理 施工中

 サッシと外壁の取り合い部分から雨水が浸入しておりました。外壁のひび割れ部分をシリコンで補修し、サッシや庇など外壁と別の建材の取り合い部分をシリコンでシーリングし、雨水の浸入を防ぎました。
 その後、シリコンが紫外線で劣化しないよう塗装工事を行いました。

タイル面の塗装


施工中/下塗り

 道路面の外壁はタイルで仕上げられていました。
 プロを名乗っている業者でも、タイル面を防水・保護する必要性を認識していない事が多いです。タイル面は目地から雨水が浸入し、コンクリートを湿らせ、鉄筋を錆びさせ膨張させます。鉄筋が膨張することでタイルの内側のコンクリートやタイルにヒビが生じてしまいます。
 当社ではタイル面全体を防水するために、磁器タイル専用の透明な保護・防水塗料を塗装することをお勧めしています。その後、タイルの汚れが軽い場合は、既存タイルの風合いを残すために半透明な上塗り塗料で仕上げ、汚れが酷い場合は、カラー塗装用の上塗り塗料で仕上げます。
 第2石松ビルは築44年ということもあり汚れがひどい状態でしたので、カラー塗装を選択致しました。


施工中/上塗り(外壁の上半分)


施工中/上塗り(外壁の上半分)


施工中/上塗り(外壁の下半分)


施工中/上塗り(外壁の下半分)

廊下

 サッシがない外壁部分から吹き込む雨で、床面が水浸しになるという問題がありました。床面が防水されておらず下の階への雨漏りの原因となるため、 後述の屋上防水と同じ工法で床面に塗膜防水を施工しました。


施工前


施工中/下塗り後
浮いている旧塗膜は、皮すきで剥がした後に下塗りを行います。


施工中/下塗り


施工後/外壁上塗り


施工後/玄関ドアの塗り替え

屋上フェンス

 屋上の転落防止のフェンスが鉄製であり、錆が酷い状態にありました。フェンスの柱がコンクリートに埋め込まれているのですが、その根元の部分の錆の進行は塗装しても完全に食い止めることはできません。錆が進行すれば柱が更に腐食し、そこから雨水がコンクリートに浸水します。したがって、既存フェンスは撤去し、錆びないアルミフェンスへの取替えを提案致しました。
 E社はこの提案を行っていないとのことでした。適切な防水工事をしようと考えれば当然の提案です。


施工前


施工前


施工中❶/フェンスの撤去


施工中❶/フェンスの撤去


施工中❷/撤去した穴柱をモルタルで塞ぐ


施工中❸/アルミフェンス取付け


施工後

屋上防水

 既存のシート防水を剥ぎ取り、6工程からなる塗膜防水を施工致しました。


施工中❶/シート撤去


施工中❶/シート撤去


施工中❷/下地処理


施工中❸/不陸処理


施工中❹/プライマー


施工中❺/下塗り・補強布・中塗り


施工中❻/上塗り


施工中❼/トップコート


施工中❼/トップコート


施工後

ベランダ防水

 床面の傷みが少なかったため4工程からなる塗膜防水を施工致しました。


施工中❶/プライマー


施工中❷/下塗り


施工中❸/上塗り


施工中❹/トップコート


施工後

ビルの防水において、オーナー様の殆どが屋上さえ防水し直せばビル全体の雨漏りが解決されると思われがちですが、外壁からの雨漏りもあることを知っていただければと思います。
ビルの外装の表面は、コンクリート、タイル、ALC(軽量気泡コンクリート)、サイディングなど様々な素材・建材で仕上げることができます。しかしながら、どの素材・建材を採用しても将来に渡りメンテナンスが不要なケースは存在しません。プロを名乗る業者であれば、オーナー様からの依頼のみの見積もりを行うのではなく、ビル全体を通しての検証を行い、それに基づく提案をすべきと考えます。

 今回の工事により、部屋の雨漏りは無事止まりました。また、第二石松ビルに入っている飲食店の集客率もアップしたという大変嬉しいお言葉もいただきました。また、K様を始めとする理事の方々からの仕上がりに対する評価が高く、第一石松ビルの改修工事やK様のご自宅の屋根改修などのご相談もいただき、大変光栄に思っております。
 皆様のご期待に添えるよう社員一同取り組んでまいりますので、K様をはじめとする理事の方々、今後ともよろしくお願い致します。

施工担当者

2級建築士
1級建築塗装技能士
宅地建物取引士

1級建築塗装技能士

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