壁面からの雨漏り

軒の無い外壁からの雨漏り
No.17059

O様邸/2017年施工屋根・外壁等全面塗装工事、ベランダ防水工事、看板改修工事

軒の無い外壁からの雨漏り

 以前よりお付き合いさせていただいている「おおいたレンタカー」の社員の方から当社に連絡があり、雨漏りでお困りだというO様をご紹介いただきました。後日、プランナーの三重野と塗装部部長の篠田が現地調査に伺いました。
 O様宅は築23年であり、屋根はフッ素鋼鈑を使った板金屋根で、外壁はALCパネル(軽量気泡コンクリート)を施工した造りでした。

施工前
 まず、真っ先に気になったことが、北側と南側に軒がないことでした。軒がないため、雨が直接壁面にあたることとなるためです。

 サッシ廻りや小庇を見てみると、案の定、外壁との取合い(境目)に充填されていたシリコンが著しく劣化していました。

 また、ALCパネル面とALCパネルの繋ぎ目である目地にも多数のひび割れが生じていました。

 したがって軒がない南側、北側の壁面からの雨漏りが複数あることは容易に予想できました。O様に雨漏りの箇所をお聞きすると、南側の外壁に取り付けられている出窓周辺とのことでした。見てみると、出窓と壁の取合いのシリコンが劣化しており、そこから雨漏りしていました。 また、O様が気づかれていない部分でも、外壁からの雨漏りが複数見られました。

 現地調査を一通り終えた後、外壁の窓廻り等のシリコンの劣化とひび割れが雨漏りの主な原因であるため、シリコンを補修したのちに、外壁塗装することで防水性を高める必要があることをお伝えしました。また、ベランダについても、今のところ雨漏りは生じていませんでしたが、今後の雨漏りリスクを軽減するために防水工事を行うことの必要性も合わせて説明しました。
 後日、下記内容で御見積もり説明をさせていただきました。

●サッシ、小庇、出窓と外壁の取合いの部分のシリコンが劣化して防水機能が殆どないため、シリコンを補修する。
●シリコンは紫外線に弱いため、シリコン補修後に紫外線カットの意味も含めて外壁の塗装を行う。
●ベランダは、表面をタイルで仕上げている箇所と、モルタルで仕上げられた箇所がある。タイル仕上げの部分は、タイルの凹凸がある状態では、塗膜防水ができないため、タイルの上からモルタルを打設して平滑にした上で塗膜防水を施す。
●今回の塗膜防水は、6工程からなり、3工程目に専用の布を挟むものを採用する。
布を間に挟むことで下地のモルタルにひび割れが生じても、塗膜防水がひび割れにくいという特徴を持つ。
(引用:大日化成株式会社)
RB-6工法
●屋根や小庇にはフッソ鋼鈑という板金が使用されている。築23年ということもあり、見た目も劣化しており塗装すべき状態である。ただし、フッソ鋼鈑は劣化が少ない場合、専用の下塗り材であっても密着が悪く、その上に上塗りをしても下塗り材から剥がれてしまう可能性もある。そのため、塗装するかどうかは、部分的に下塗り材を塗って、一定期間放置し、密着具合を確認した後に塗装可能かどうかを判断する。


▲テスト中の屋根

▲テスト中の小庇

 テストの結果、問題なく密着したため、塗装することとしました。上記の施工内容にご納得いただき、工事の発注をいただきました。

施工後



屋根の塗装


施工前

施工中

施工後

外壁のシリコン補修 施工前

外壁のひび割れ補修


施工中

施工後

タイル仕上げのベランダ防水


施工前

施工後

モルタル仕上げのベランダ防水


施工前

施工後

屋上防水

 現地調査で確認ができなかった屋上は、当社では決して行わないシート防水()による施工でした。シート防水の状態は、部分的に浮いている箇所が多く見られ、その時点では雨漏りしていなかったようでしたが、将来的には間違いなく雨漏りする状況でしたので、防水工事のやり直しをおすすめいたしました。
 下地がモルタルであったため、シートを撤去してベランダ同様に6工程からなる塗膜防水を施工しました。


施工中

施工後
※シート防水とは、複数枚のシートを接合し防水層とする工法ですが、接合部から浸水しやすいという致命的な欠点があります。一度シートの下に雨水が入り込んでしまうと、厚いシートの下は陽があたらない上に風も吹き抜けない為、浸入した雨水は乾きにくく、水はずっと滞留し続けます。その為、下地であるコンクリートは常に湿った状態となり、下地やシートの接着面を傷め続けることになります。その結果、下地の劣化や接着面の劣化によるシートの剥がれ等を引き起こし、むしろシートが無い方が良いような状態に陥ってしまうのです。継ぎ目の有無は防水工事において、防水性能、耐用年数などに直結する大きな要素と言えます。
 このような防水工法としての致命的な欠点を見直されることなく、「公共工事で使用されているから」「材料であるシートが生産されているから」「昔から指定建材として使われているから」といった安易な理由でいまだに流通しています。使われ続ける最大の理由のひとつは施工が容易であることで、その理由は消費者の側に立ったものとは到底いえません。当社では防水工事のご相談を受けて、幾度となく屋上に上がりましたが、いまだにまともな防水工事をしている現場を見た事がないと言いきっても決して大げさではありません。
 ご自宅やご所有の物件の防水が正しい防水工事かどうか、ご不安のある方は遠慮なくご相談ください。当社が適切なご提案をさせていただきます。現地調査及びお見積もりは無料で行っております。

ベランダ手摺の塗装


施工前

施工後

玄関ドアの塗装


施工前

施工後

看板改修工事

 また、塗装とは別に屋根の上にある社名が記載されたオレンジ色の看板を、何らかの色で塗りつぶすなどしてほしいとのご依頼をいただきました。看板はフィルムによるものであり、きれいに剥がすことは不可能であったため、屋根と類似色のガルバリウム鋼鈑で覆うことを提案し、ご発注いただきました。


施工前

施工前

施工前

施工後

施工後
 工事は点検に点検を重ねて進めましたが、大型台風が来た場合、多少の雨漏りのリスクがあることをO様にお伝えし、ご了承いただいていました。それから約1か月後、非常に強い台風18号が発生し、皆様もご存知の通り、大分県内に甚大な被害をもたらしました。
 台風が去った後、O様に雨漏りがなかったかどうかを確認したところ、全く問題なかったとのことでした。
今回、雨漏りの主な原因であったシリコンの補修を特に丁寧に施工することを職人に周知し、また複数人による点検と補修の繰り返しを徹底した結果、このような成果が得られたと感じました。
施工担当者
Return Top 今すぐ電話する